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映画「コンテイジョン」に見る新型コロナウィルス感染拡大の未来

2020/4/10(最終更新:2021/06/17)

映画「コンテイジョン」に見る新型コロナウィルス感染拡大の未来

何気なくSNSで見かけた、知人のシェア。

その中にあったのは”映画「コンテイジョン」で描かれている内容が、新型コロナウィルスに侵されている世界まさにそのもの”というもの。

早速気になってNetflixを開いてみたところ、折しも「今日のTOP 10リスト」の堂々の1位として表示され、さらになんとそれを何日もキープしているという。

これは見るしかない、という気持ちと、若干の恐怖で目を両手で多いながらも指の隙間から覗くような感覚で気がつけば観始めていました。

すると、今だからこそとても感じるものや学ぶものというものが多々あったので、備忘録も兼ねて今回まとめてみようと思います。(ネタバレしないために極力あらすじは避けて書きます)

映画「コンテイジョン」とは

コンテイジョンは、世界規模のパンデミックとなった架空の感染症の脅威と人々のパニックを描いたアメリカ映画です。

ジャンルとしてはパニック映画とされていますが、監督はオーシャンズシリーズや「チェ 28歳の革命」、「チェ 39歳 別れの手紙」などでお馴染みのスティーブン・ソダーバーグということで、作品としてはシリアスな展開や社会的なメッセージも強い印象でした。

4月13日現在で、Netflix、Amazon プライム・ビデオ、U-NEXTなどの動画配信サービスで視聴できるそうなので、まさに外出自粛のお供にもってこい。

2011年に公開されて9年近くが経った今、フィクションだったはずのこの作品の内容が、新型コロナウィルスが世界的な猛威を振るう今日の現実世界と酷似していることから、再び話題になりました。

それでは、具体的にどういった点が似ているのでしょうか。

新型コロナウィルスとここが似てる!

作中で描かれている感染症は、正体不明の新型のウィルスによるもの。
それゆえ発生時点の医学では治療法が解明されていませんでした。
ある程度の潜伏期間を経て、接触によって伝染してしまうという媒介性から、瞬く間に世界中に感染が拡大し、大勢の死者を出すパンデミックとなります。

ここまでは一見、ウィルスを扱った他の映画や海外ドラマにもあるような設定に思えます。
しかしこの作品では、このウィルスの登場により起こるクラスター(集団)による感染や、買い占め、都市封鎖(ロックダウン)など、実際に起こっている事象が、あたかも予言していたかのように描かれています。
他にも、感染ルートを探る様子の描写など「実際こんな感じなんだろうな」と思えるシーンがいくつもあって、今観ると9年前に作られた内容とは思えないくらい、恐ろしいほどのリアリティを感じます。

コンテイジョンが描く、知られざる裏側とこれからの世界

この作品では、実際の世界ではまだ起こってはいないもののこれから発生する可能性がある事象や、私たちが生きる日常では見えにくい部分も描いてくれています。

デマと情報操作

SNS、ひいてはネット社会の急速な発達により、この数年で必要な情報が容易に得られるようになった恩恵は、こういった危機下における人々の行動の指針に何役も買っていると思います。
しかし一方で、デマなどの情報操作も簡単に行われるようになってしまい、時にそれらは必要以上に人々の恐怖心を煽ってしまう作用も持っています。
映画では、とある影響力のあるブロガーが、フェイクニュースや政府批判・陰謀論を拡散することで、人々がパニックに陥ってしまう様子が描かれています。
そういった情報社会のもつ危険性について、この作品では警鐘を鳴らしているように思えました。

乱れていく秩序

外出の自粛(禁止)による買い占め現象は現実世界でも起こっていますが、これがエスカレートした形として強盗や物資の略奪、暴動などが各地で多発している姿が描かれています。
最悪のケースとして、ウィルスによってではなく、こういった治安の悪化により命を落とす人も出てくることも想像できてしまいます。
上述の情報社会が生む副作用でもありますが、ウィルスによる攻撃は人命だけではなく、人々の倫理観も大きく崩壊する可能性を持っていることが分かります。

医療従事者の努力

治療にあたる医者や看護師、一刻も早い供給が待ち望まれる治療薬の開発に奔走する医療機関、その誰もが人命を救うために自らの感染リスクさえも冒して今も働いているでしょう。(実際に医療従事者が感染して死亡してしまうケースや、医療崩壊の様子もコンテイジョンでは描かれています)
各国の用人たちが必死に感染拡大を防ぐべく様々な対策を講じるその裏側では、そういった医療従事者の決死の尽力があることを忘れてはいけないことを、強く教えてくれました。

最後に

私が観た時点(4月8日)で既に、かなり実世界で起きていることとマッチした内容だったので、かなり恐怖心が増幅してしまいましたが、その分より危機意識が高まったので良かったと思います。
もちろん、作中で描かれていることが全て現実で必ず起こるわけではありませんが、リアリティを感じた以上、より一層感染拡大防止のために自分ができることは何か、しっかり考えて実践していきたいところです。

そして、見る人によってはただただ恐怖心が煽られてしまうだけになるかもしれませんが、この作品のメッセージが、少しでも感染拡大の防止と1日も早い収束に繋がるヒントになれば良いなと思います。

本作に出演したマット・デイモンによる新型コロナウイルス対策を呼びかける新たなメッセージ映像も、3月にYoutubeにて公開されていますので、共有します。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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